作物の生育に適応した土壌pHについて
昨年育てた秋ジャガの表面に初めて病斑が発生したことから、土壌pHについて気になり調べてみました。上の図は、竹村電機製作所の土壌酸度測定器デメトラDM-3及びDM-13の取り扱い説明書のデータをグラフ化したものです。オレンジ色のバーが示すpHが生育に最適とされているpH濃度となります。(赤丸はその平均値)
▼手持ちの土壌酸度計
2つ所持しています。いずれも土壌に挿して測定する簡易式(特殊合金による起電力を利用した電池不要の測定器)です。DM-3は8年位前に購入したが、測定結果が参考にもならないため殆ど使わずにしまってあった物。SK-910A-Dは土壌水分を測定するために昨年購入した物です。
これらを使用してジャガイモを育てていた土壌のpH濃度を測定してみます。
▼DM-3の測定結果
挿す度に異なる結果が出てしまいました。きっと使い方に誤りがあるのだろうということで、取扱い説明書をDLして読んで見ると・・・。
なるほど・・・やはり、ただ挿すだけでは駄目なようです。
それではということで、説明書に沿って実践してみました。
このやり方を行うと、ほぼ毎回同じ結果が出るようになりました。
再現性もあるため、pH6.0だったのかと思ったのですが・・・。
▼SK-910A-Dの測定結果
DM-3では、6.0と思われた土壌pHが、この測定器ではpH7.5付近を示します。
場所を変えて何度挿し直しても7.0~7.6の間を行ったり来たり。
平均するとやはり7.5付近です。
どちらを信用すべきか・・・どちらも信用できない?
色々と調べていくうちに、土に挿すだけの「起電式簡易土壌酸度測定器」というものは、測定誤差が±0.5もあるということや、信頼性に著しく欠けると書かれているユーザー記事なども見かけ、この方式での測定ではダメなんだろうなという結論に至りました。
そして、別の測定方式で安価な品を物色し、以下の方式のものを入手してみました。
1.ガラス電極式pHメーター
2.pH試験薬
▼ガラス電極式pHメーター(送料込1,350円)
安物ですが、基準液も粉末で付属しており、1点校正が可能な品です。
校正後に測定した結果、pH7.6となりました。
▼pH試験薬(送料込459円)
色で判別するのは正直苦手なのですが、pH7.0以上8.0未満なのでpH7.5ぐらいと判定できると思います。(写真だと更に判定しずらい色に見えてしまっていますが実物ではもう少し判定しやすい色でした)
▼これらすべての結果をまとめると、
今回、秋ジャガを育てて病害が発生した土壌のpH濃度は7.5であったと結論付けます。ちなみにジャガイモの最適pH濃度は4.5~6.0ですのでアルカリ側に大きく外れていたということとなります。
よって、今回の病名は「亀の甲病」で決まりです。
なぜそう言えるのかは↓こちらの記事を参照ください。
では、なぜpH7.5まで上がっていたのか・・・
畝立て時に石灰は撒いていないけど、草木灰はそこそこ撒いた。。。
ジャガイモの前作はイチゴだったけど、その時も石灰はほとんど入れていない。
あとは、ジャガイモ畝立て時には牛糞堆肥を大量に混ぜた記憶もある。
▼念のために牛糞堆肥のpHを測定
これかも…???
ちなみに、どの畝を測ってもpH7.0~8.0(8.0の畝は石灰をいつも通りに撒いた場所)でした。色々と調べた結果、この堆肥を使っている間は石灰不要だということも判ってチョットすっきりしました♪