今年(2015年度)のメロン栽培予定地
赤線で囲った約9×3mのエリアが、今年のGWからメロンを育てる予定地です。
次々と収穫が終わり、あと3畝空けば土作りを開始できるようになります。
今日は畑に行く途中、コイン精米所に寄って米ぬかをもらい、空いた区画の上に降りかけてきました。
実はここの土をどのように料理するか少し頭を悩ませていまして、
pHが7.5程度あるという事実が予定外でした。
というのも、ホモシプス根腐れ病対策として「あること」を予定していた
のですが、既にpHが高いということで変更せざるを得ないためです。
<ホモシプス根腐れ病>
ウリ科全般に起きる根腐れ病の代表的なものに「ホモシプス根腐れ病」があります。昨年この地で育てたスイカ、メロンにこれに似た症状が出ていました。どのような症状かと言うと、
「晴天の日中に萎凋し、朝夕や曇雨天日には回復する症状を繰り返す」
「下葉から徐々に黄化し、やがて枯死」
といった、なんともやっかいな病害です。
この現象が出始めるのは着果した実がある程度のサイズになった頃。この頃がもっとも根に負担がかかるため現象が出始めます。
同様な現象を経験したことがある方は、意外と多いのでは?
昨年のスイカ栽培では後半この病害で収量半減し早々にリタイアしました。メロンはなんとか踏ん張ってくれた品種もあったけど、1株あたりの収量が減る結果となりました。
そんな訳で、まだ菌が残っているから今年は対策をとる必要があります。
○ちなみに、栽培過程で以下の操作を行う事で、
被害を最小限にすることも可能で、実際やっています。
1.果実の着果負担を減らす(1株1果と数を制限して根の負担を軽減)
2.常に遊び蔓を伸ばすことで根の生長を止めない(腐る分を補う)
1をしないと全滅するパターンが多いです。2は生長点が伸びる=根も同様に生長するので、整枝時は根の状態を想像しながら行うのですが、ある程度経験を積まないと理解しがたいかもしれません。
では本題です。
農研機構が紹介されている「ウリ科野菜ホモシプス根腐病被害回避マニュアル」というものがありまして、そちらを参考に「転炉スラグ」を使って被害を軽減する予定としていました。
<転炉スラグで土壌pH改良>
土壌pHを高くすることで、根腐れ病を軽減するという方法です。使用する改良剤として推奨されているのが「転炉スラグ」。商品名としては、「てんろ石灰」や「ミネカル」がそれに該当します。処理目標としてのpHは7.5。通常の野菜栽培で推奨されるpHよりはるかに高い数値です。ちなみにメロンは6.5~7.0が推奨範囲となります。ここまでpHを高くしてしまうと微量要素欠乏症が心配されますが、転炉スラグで上げた場合は微量要素欠乏症が出にくいという特徴があるため、病害を軽減する方法として推奨されているのです。
ということで、この方法で軽減を図るつもりだったのですが、既にpH7.5あるので断念することとしました。
ちなみに自根栽培のメロンでは実用的な被害軽減効果が得られないことが確認されているようなので、この処理をした場合のメロンは接ぎ木かなとも思っていたのですが、この点も断念の理由として加えておきます。
ではどう対策する?ということで、本日検討して決めました。
次の方法をとる事にします。
<土壌還元消毒>
太陽熱消毒と似たような名前・やり方の方法ですが、全然異なる方法です。
これは熱で菌を死滅させるのではなく、酸欠で菌を死滅させる方法なのです。
○方法
1.米ぬかを1㎡あたり1kg蒔いて土と混ぜる
2.潅水チューブなどで十分潅水する(湛水状態)
3.透明ビニールで被覆する(完全に密閉)
4.約3週間放置する
地温30℃以上となれば米ぬかを養分として微生物が急速に増殖し、土壌が湛水状態であることで、微生物による酸素の消費によって無酸素状態となり、土壌は還元状態となる。その結果、酸素を必要とする土壌病害虫が死滅したり増殖が抑えられたりするという仕組みとなります。また、太陽熱消毒と同じく熱による消毒効果や、還元状態で生成される有機酸による殺菌・殺虫効果も加わるそうです。
さらに、土壌の排水性の向上、物理性の改善も期待できそうです。
具体的は方法としては、
・「土壌還元消毒とは」
・「土壌還元消毒による防除」
・「土壌還元消毒法」
探せば情報はいくらでもあるので、これらを参考にすすめていく予定ですが、
問題もあります。
GWの定植までに済ませる必要があるのであまり気温が高くない状況です。
そんな中でうまく出来るのかが問題です。
4月にならないと無理かもしれません。ギリギリだなー^^;
あとは、「黒点根腐病」に対する防除効果がまったく無いという点です。
昨年の症状から「ホモシプス根腐病」と疑っていますが、同じ症状に「黒点根腐病」もあります。後者だった場合はあきらめるしかないかなと思っています。